9月23日午前は、1983年から心理療育研究所「トマニ教室」を開業された臨床心理士の繫昌成明先生のご講義でした。38年間のトマニでの臨床、保健所での検診、相談の経験の中から紡ぎ出される「発達障害とは何か」というお話です。聴く人の興味関心を引き付けるお話が満載で、耳を傾けているうちに、あっという間に時が経っていきます。
今回は保健所で出会う乳幼児とその保護者との真剣勝負について、リアルなお話が聞けて私にはとても勉強になりました。
支援をするためには、まず自分自身を客観視すること。このことを具体的にやさしく、そして深く、教えてくれます。今回も受講者との対話、双方向性を重視した2時間で、繁昌先生にしか表現できない、アートのような時間でした。
1983年と言えば、私は大学1年生になった時。夏、ボランティアで参加したアサヒキャンプで、知的障害を伴う自閉症のお子さんを担当し、うまく対応できなかった記憶がよみがえります。うまく対応できなくて、ゴメンナサイ。今でも思っています。 まず知ること。支援に理論、知識は不可欠。学び、そして自ら実践してみること。それは出会い、話すこと、聞くことから。その瞬間瞬間に、相手との関係性を常に意識、客観視できるか。繁昌先生のご講演と演習は、今も学び続けられ、真摯に向かい合う姿勢を全身で教えていただく時間でした。(中久木俊之)